初日。 =入院当日=
そして日常生活もままならない一週間が経過して、やっと入院日となる。正直なところ、あまりにも不自由な
生活だったので、「なんでもいいから早いところ直して」という気分になっていた。
午前10:30に入院受付に行けばいいはずなのに、母がやたらと早く行きたがったのでかなり早く病院に到着。
書類上の入院手続きはあっさりと完了してしばらく待っていると、病棟の方から看護師さんが迎えに来る。
大きい病院ではあるが、案内付きとは思わなかった。
誘導されるがままについていくと整形外科病棟に到着。母の「大部屋イヤ」という意向により、二人部屋に
案内される。それはいいのだが、差額ベッド代は誰が払うんだろう?
どうもベッドが余っている時期に入院したらしく、二人部屋でもわたし一人の独占状態で使う事に。
結局退院時まで個室状態でした。
入院したものの何となく着替えるタイミングが見つからなかったので、平服のままベッド柵にもたれかかり
ぼーっとして過ごす。暇つぶしに新しく買ったデジカメの取扱説明書(応用編)を持って行って熟読するつもりが、
やはり左手だけではなかなかページを繰るのが手間で早々に諦めて午前中をぼーっとして過ごす。
☆
と入院初日からヒマを持てあましていたら、昼食の時間になる。メニューは中華丼・おひたし。
病院食はまずい、という常識?を裏切って中華丼はなかなかの美味。うずら玉子が3個も入ってたし(笑)。
もっともやや薄味でしたが、これは場所柄仕方ないか。おひたしは薄味の限界にチャレンジしたみたいな
感じであんまり・・・ まー素材の味は生きていた、と言えなくもない(笑)。
食べ終えた後は、またもやヒマになる。なので再度デジカメの取扱説明書にチャレンジしていたら、わたしの
手術を担当するという麻酔医が登場。手術の麻酔に関してのあれこれを説明してもらう。
インフォームドコンセントってやつなのかな?麻酔中は自発呼吸しなくなるから気管にパイプを通して
人工呼吸するが気道確保の際に声帯とかその辺を少々痛める可能性があるとか、確率的には交通事故よりも
麻酔事故の方が遙かに少ないのでそのへんは安心して下さいとか。
あんまり話すのが上手くはなかったような気もしますが、わたしよりも年が若いドクターのようだし。
これから上手くなるでしょ。
手術の際の麻酔には一片の不安も持っていないので、通り一遍の説明を聞いたのち、麻酔医に聞き忘れていた
質問である「麻酔ガスの種類って何?」というのを母に聞くと「ん?笑気ガス」との答え。 ってーことはN2Oですか。
確かこのガスは効率悪いけどニトロの代わりに使えるんだよなー。
などと、およそ社会生活には不必要な知識を思い出しつつ、再度ヒマを持てあます。こんな事ならもーちょっと
ヒマをつぶせそうな物を色々と持ってきておけばよかった。
などとヒマを持て余していたら、看護師さん二人組が登場。何でも術後に使う抗生物質に対するアレルギーが
ないかどうかの確認に注射を二本打つとかで。
どーもこの看護師さん、まだ慣れていないらしく針を刺すのが恐る恐るってな感じ。わたしも注射怖いんだから、
さっさと刺してくれー、ってな感じでしたが。
そのまま十五分ほどじっとしていてくださいと、の事だったのでじーっとしてると、ベテラン看護師でもある母が、
「ほんまにアレルギーやったら、注射した瞬間に腫れ上がるから一目で分かるで」とのたまう。
って事は十五分というのは念のための時間な訳ね。幸いにして変な反応もしなかったので一安心。
なのはいいのだが、またもやヒマになる。
☆
三角巾で腕を吊って病院内をうろつくのも気が進まなかったので、そのままぼーっとしつつ説明書片手に時間を
過ごしていると、クリップボード片手に栄養科(だったかな?)の人が登場。何でも病院食に関して、アンケートや
要望なんかを聞いて回っているとかで。ってか、わたしまだ一食しか食べてませんけど(笑)。
薄味だったものの、味そのものは及第点を余裕で満たしてたし、あんまり不満はないんだけどなーと思いつつも、
「薄味なのは仕様ですか?」と聞いてみたら苦笑いしつつ「そうですねー」との答え。やっぱりか。
その辺何とかなったら嬉しいです、などと答えるが、それはさすがに無理だろうなー(笑)。
「昔は入院費の中に食費も入ってたけど、今は別会計だから色々頑張ってるみたいよ」などという母の
内部事情説明を聞き流しつつ時々やってくる看護師さんに血圧脈拍体温の3点セットのチェックを受けたりとか、
手術に備えて看護師さんの手を借りつつシャワーを浴びて剃毛とかされて やっとパジャマに着替えたりとか
していると夕食の時間になる。
看護師さんが持ってきてくれる夕食を受け取ってさあ食べようか、という時に主治医が登場。
なんでも外来の方に出ていたので来るのが遅くなったとかで。やっぱお医者さんって忙しいんだなー。
☆
そこから今回の手術に関しての説明がスタート。どうも母はこれが聞きたかったらしい。
おーざっぱに記憶している話はというと、骨折した部分を大きめに切り開いて、骨折した骨を寄せ集めて
元の状態に戻した後、プレートを当ててネジで固定。ネジが効かなかったらナイロン(かなんか)の糸で
ぐるぐる巻きにして固定して回復させる、とかで。
リスクとしては、鎖骨のすぐ下には割と太い血管が2本ほど走っているので(名前忘れた)、これを
傷つける可能性があり、実際そういう例も報告されている、との事。
「もっとも私自身は今までそういう事態になった事はありませんが」という台詞から、そうそう起こりうる
事態ではないのだろう、と勝手に推測。
後は母が少々専門的な質問をした後、ふと思いつき、「埋め込むプレートの材質ってなんですか?」と
聞いてみると「あ、チタンです」との答え。おぉ、高級材料だ〜(笑)。
ステンレス製もあるそうなのだが、生体親和性の良さとか弾性が生体骨と近いとか色々とメリットがあって
最近はチタン製の方をよく使うそうな。
説明を受けている時からも「まー鎖骨の手術なんか大した事ないから安心しなさい」的な自信が
見て取れたので、こっちとしては安心出来ましたが。
意外なほど丁寧な説明が終わった後は、一時停止のかかっていた夕食タイムとなる。メニューは
焼魚(太刀魚?)、麻婆茄子、キャベツ人参小エビの酢の物。酢の物はやはり薄味でした(笑)。
食事が済んだあとは、「先生に聞く事は聞いたし、もういいわ」という事であっさりと母帰宅。
その後は再度ヒマを持てあまし、ぼーっと窓の外を眺めたりとかしていたもののすることもなく
仕方ないので、テレビ視聴用のプリペイドカードを買ってくるか、とカード自販機の所までいくと、
なんと千円札限定の自販機でした。手持ちは五千円札一枚だけだというのに(泣)。
仕方ないのでそのまま引き返して、病室でヒマを持てあましていると、消灯時間(午後九:00)に
なったらしく、看護師さんが病室の電気を消して回りはじめたので、さっさと寝る事に。
起きていても別段とがめられる事はないのだが、起きていてもすることがないのでは寝るしかないでしょ。
もしかして小学生以下?
(就寝中)
しかし夜行性人間のわたしはあっさりと夜中に目が覚める。時刻は午前0:30くらい。どーしろと?
仕方ないので、病室からの夜景の写真なんぞを撮ってみる。右腕が全く使い物にならないし、窓の外に
外廊下の手すりがあったせいで非常に撮影がやりにくかった。ってーか、入院患者は大人しく寝てろ。
そこそこ納得の一枚が撮れた気がするので、デジカメ&三脚を片付けていたら、背後の死角から看護師さんに
「寝られないんですか?」と声をかけられ、思いっきりビックリする。全く気配を感じなかった(笑)。
「いえ、目が覚めちゃって」とあながち嘘でもない事を言ってその場を誤魔化して、再度ベッドに入る。
あーホントに驚いた。ナースシューズって結構音を立てるから、接近は分かると思っていたのに。
その後は、うつらうつらしたりしていたら、いつの間にか朝まで寝付いていました。
一日目、了。