スターファイターに逢いたくて
ある日の事です。
ネットサーフィンをしていたら、どこをどう辿ったのか? 小松市にある公営の航空博物館のサイトを発見しまして。
その昔「エリア88」が愛読書だった事もあり(笑)、さほど詳しい訳でもないのに(固定翼回転翼問わず)飛行機好きなので、
所蔵されている航空機群を眺めていたら、好きな機体を発見。
「あー、フターファイターが展示されているやんかー」
少々興味をそそられて所在地を確認してみたら、近くはないけど(バイクで)行けない距離でもない、という事が判明。
少し前に、NF−104(F−104にロケットモーターを後付けして高々度飛行に挑戦した実験機)をミサイルキャリアに使って、
月から飛んでくるUFOを迎撃する、などというライトノベルを読んでいた事もあり、実物を見に行きたくなりました。
とはいえそこそこ距離がある上に、いささか(ではないかw)マニアックな目的地だというのは自覚していたので、一人で
行くつもりだったんですが、「まぁ一応募集してみようかな」と、掲示板でツーリング告知をしてみる事に。
☆
そして数日後、二輪スクールや講習会等でよく会うAさんからメールが届きました。
『その日は小松基地の航空祭ですよね。僕も行くんですよ。ただし電車で(笑)』
・ ・ ・ え? えぇっ?!
あわててネットで情報を探してみると、なんと見事に航空自衛隊小松基地の航空祭とバッティングしてました(笑)。
わたしが住んでいる関西では自衛隊の基地祭というのはあまり馴染みがないですが、日本海側では最大規模の基地祭という事もあり、
毎年数万人の人出で賑わうとか。
地元の商工会議所やあちこちの個人サイトさんとかを見ていても相当の見物人が出ている模様。となると当然、現地では相当の
混雑や渋滞その他が予想される訳で。うーむ。
行くのやめようかなーと思ったものの「まぁ現有の機体を見れるチャンスというのはそんなにないし」と自分の中で理由付けして、
やっぱり行く事にしたのでした。
☆
そして当日。予想通り、この日までに参加希望者さんは現れなかったのでお気楽なソロツーリングとなりました(笑)。
なんか久しぶりに一人で走るような気がするなぁ。
一応、当日参加の人がいないかどうか、あらかじめ設定していた集合場所のコンビニに行って誰もいない事を確認。
「んーまあこんなもんか」と誰もいなかった事に安堵しつつ、ペットボトルのお茶を買い込んでいざ出発ー。
まずは一路東へと向かい、琵琶湖大橋を渡ります。そしてそのまま湖周道路を北へと。それなりに通行量がある道なので
てきとーに流れに沿って車の後ろについてのほほんペースでぼーっと走っていきます。
自分の前にバイクが走られるのがイヤなのか? 適当な車間距離を取って走っているにも関わらず、無理矢理に追い抜いて
行こうとする車を微妙にブロックして遊んだりしつつ距離を伸ばしていくと、いつの間にか木之本町に到着。
「えーっと、ここから国道303号線に入ればいいのか」
地図を参照しつつ走っていると、東横町という交差点までたどり着く。のはいいのだが、この先何やら表記がややこしくなっている。
「とりあえず真っ直ぐ行けばいいのかなぁ?」
いまいち自信がなかったものの、地図と現在位置を見比べて直進してみる事に。ちょっと走っていくと、ホントに国道?というほど
道が細くなってきたものの、どうやらショートカット的な道だったらしく無事に国道303号線に合流する事に成功。
(と思っていたら、この細い道も国道303号線だったらしい。こちらを参照。何でこんなややこしい事になってるんだか?)
そして国道303号線をひた走る。この道、路面が綺麗で各コーナーも素直なので非常に走りやすい。なので走行ペースもそれなりの
速度になってしまうのは仕方がないという事で(笑)。
とはいえ、免許の点数が復活したばっかりなのでそれほど飛ばしていた訳でもないが。
そうやって湖周道路をまったり走っていたのとは対照的な走り方をしていたら、前方の看板に『道の駅 さかうち』という
表記があるのを発見。
今までの走行距離的に、ちょうどいい位置にあったのでここで一休みする事に。
ちなみに建物はこんな感じ。外壁部分にモアレ検査のような干渉稿がでてますが、肉眼では見えません(笑)。
9月半ばとはいえ、、メッシュジャケット着ていても暑いくらいだったのでここでスポーツ系飲料を自販機で購入。ぐびぐびと
飲みつつ地図を見てこれからの走行予定ルートを再確認。
「えーっと、取りあえずはこのまま国道303号線を東に向かって、横山ダムを通り過ぎたら国道417号線を北上。トンネルを
5つほど抜けたら開田って所から県道270号線に入って国道157号線につなげて、後はひたすら(×4)北上して、
国道360号線に行けば小松市に到着、なのか?」
語尾が疑問形なのは、ひたすら(×4)の部分が長すぎる上に、地図上の注意書きにも”北に行くにつれ極狭路になる” とか、
”道を横切る小さな谷川が連続 舗装が崩れ通行困難” とか、”岐阜側未整備部分長い” とか、今後の道行きを不安にさせる
言葉が連なっているせいだったりします。ホントに大丈夫なのか?とは思ったものの、
「まー行ってみんと分からんか」
バイクがCBR900RRなのであまり無茶は出来ないものの、自分一人なら少々道が荒れていても大丈夫なのであんまり
深く考えないでおく(笑)。
そして水分補給を終えてトイレも済ました後、休憩を切り上げて出発する。
☆
走りやすい国道303号線を快調に飛ばしていると、左手の方にダム湖らしきものが見えてきたので「そろそろかな?」と
思っていたら国道303号線と国道417号線との合流地点にさしかかる。
実はどちらに進んでも国道157号線に合流出来るのだが、南下した場合、路面状態は良さそうなものの距離的にかなり
遠回りになるので、目的地までストレートに進める北上ルートを選択したという経緯があったりなんかします。
今から思えば、南下して回り道すれば良かった ・ ・ ・ orz
んがしかし、素直な性格をしているわたしは、素直に目的地まで最短で行ける方位である北を目指して突き進んでいく。
さすがに今まで走ってきた国道303号線とは違い道幅が狭く、それほどペースが上がらない。
「それに加えて、まーたCBRの乗り方忘れてるし」
元々が初所有のレプリカ、ってかスーパースポーツバイクなので勝手が分からず、各コーナーが上手く曲がれている気がしない。
記憶では、骨折前は下手は(下手なりにではあるものの)そこそこ素直に走れていたような気がするんだが、なんだか
自分の体の動きとバイクの動きがバラバラでしっくり馴染んでいないような感触。なんか気持ち悪いなー。
などと速度とコーナーの曲率とバンク角との整合性を合わせるのに試行錯誤しつつ走っていく。
そして、色々と試していると妙な事に気が付く。
「おっかしーなー。何でレプリカ乗り(←リーンインもしくはハングオンの事らしい)すると曲がりにくくなるんだろー?」
どーいう訳か?低速系のコーナーはリーンウィズやリーンアウトで乗った方が、素直にすっきり気持ちよく曲がってくれる。
とはいえ。
「レプリカにリーンアウトって ・ ・ ・ それはあかんやろー(笑)」
乗れていたら何でもいいやん、が密かなモットーのわたしでも、いささか恥ずかしいものがある(笑)。
☆
んがしかし、対向車すらほとんどないような三桁国道なので、乗りやすいフォームで楽しんで走って、いくつかトンネルをくぐり
さらに走って、何やら大規模工事をしているのを横目で見物しつつさらに走っていくと、県道270号線との合流地点である
開田に到着。
ここの合流地点がたまたま地図の切れ目に記載されていた上に、少々入り組んでいたせいもあり道を間違える(笑)。
しかし、すぐに道を間違えた事に気が付いたので正規ルートに戻れのたのは幸いでした。
ところが、
「何この看板セット?」
”工事中” だの ”全面通行止め” とか ”迂回路なし” とか、あんまり見たくない文字がずらずらと書き連ねられた三枚組の看板を発見。
もしかしてこれってこれから走るはずの県道の事じゃなかろーなー?
とりあえずバイクを路肩に停めて看板まで歩いて戻ってじーっくりと眺めてみると、残念な事に、どうやらこの先の道の事らしい。
やれやれ。
「ってちょっと待て。ここが通れないとなると非常にまずい事態になるんじゃないのか?」
この県道270号線が使用不可だと、そのまま国道427号線を直進して冠山林道を経由、国道476号線から国道157号線へ、
といった具合にかなり距離を迂回しなくてはならない上に、地図を見ても想像がつくくらい、あんまり道がよくなさそう。
何せ舗装されているらしいとはいえ、林道経由だし。どうしたもんかな?
とか看板を眺めて悩んでいたら、変な事に気が付く。
「あれ?なんでH16って書いてあるの?」
看板には”H16災害工事第303号” と書かれていて、これは平成16年度の事なんだろうな。となると、
「古い看板撤去しないまま放置?」
いやそれはないだろーと思ったが、その横にある他の看板には”期間 平成16年5月18日〜平成14年3月20日” の文字が。
って過去へさかのぼって工事してるやんか(笑)。
まーこれは別の現場っぽいが。
「となると、この看板もフェイク、というかダミーなのか?」
いやそれはないだろーとか思いつつも、ここが通れるんであれば時間的に助かるよなーとかぐるぐる考えていると、
その工事中なハズの方向から一台の車がやってくる。
その車が、どー見ても地元のおっちゃん二人が乗ったスズキの軽四駆だったので、
「やっぱりこれはダミー看板で実際は通り抜けられるのか?」
という疑惑がさらに深まり、ついには
「まー本当に完全通行止めでも、人間が通れるくらいの幅が残っていればバイクも通れるだろうし何とかなるか」
という希望的観測でもって、そのまま予定通り県道270号線を走っていく事に。
☆
そのまま数kmほどは、何の問題もなく走れて「あーさっきの看板はやっぱ撤去し忘れか」とか思っていたら、道がT字路に
なっている地点にさしかかると、進む方向の道にフェンスが張られているのに出くわす。
ところがこのフェンスも何やら中途半端なところで畳まれていて、車一台くらい余裕で通れるような幅が空いている。
どうにも判断に苦しむところであるのだが、
「せっかくここまで来たんだし、行ける所までいってみるか」
という事で、さらに先へと進んでいく事に。
☆
ところが、先ほどのフェンスを越えてしばらく進んだ辺りから、なんというか、道が徐々にワイルドな風味を増していく。
路面には、枯れた木の枝や落ち葉、山肌から流れ出た土砂等がいい感じでミックスされて腐葉土状になっていて、しかもソレが
道全体にまんべんなく広がっている。
少々でも車の通行があれば、車のタイヤが通った後だけゴミがなくなっていて、わだちが出来ているハズなのにそれすらない。
って事はもしかして?
しかし、ここまで来て引き返すのも癪に障るし、今回はお気楽ソロツーリングなのでそのまま突き進んでいく(笑)。
と、意地を張って進んでいくのはいいのだが、いい加減路面状況は最悪に限りなく近づいている。
山の中なので、舗装されているはいえそれなりに勾配がある上に、いい感じに(?)湿気った落ち葉&土&枯れ枝の三種混合物が
堆積しているのでちょっとでも車体を傾けすぎたりすると、足払いを掛けられたようにいきなりグリップを失って転倒しそうになる。
オフロードバイクならこういう道の方が楽しいのだが、いかんせん乗っているのは初期型CBR900RR。
そもそもがこういう道を走るためのバイクではない。と思う。
「こうなってくると何かの修行か拷問にしか思えんなー」
数回ほどフロントタイヤを滑らして冷や汗をかきつつ進んでいたら、トンネル?の手前部分で道が広くなっていて、何故かそこだけ
路面が乾いていたので、その場所で一度止まって休憩する事に。
「進むべきか、それとも戻るべきか、それが問題だ」
今までの経過時間や劣悪な路面状況といった観点から考えると、ここで引き返して別のルートで行くのが正解だろうとは思うのだが、
正直な所、今来た道を引き返すのもイヤだなぁ、といった感じで、なかなかこの先の方針が決まらない。
と、休憩しつつ考えていたら、ふつーのセダン車(たしか日産サニーだったかな?)が来る。
「おー、わたし以外にもチャレンジャーっているんやねー」
とか思っていたら、その車がわたしのバイクの横に止まって、中に乗ってるおっちゃんに声をかけられる。
「にぃさん、この先行けると思う?」
うわー、しゃべり方が関西のおっちゃんやなーと思いつつも「いやーどうなんでしょねー?何か怪しそうですけどー」と返事する。
看板をシカトして突入してみたはいいけれど、ホントに行けるのかどうか不安というのはみんな一緒か(笑)。
ちょっと雑談して、「んじゃワシ行ってみるわー」という事で、行かれてしまいました。
わたしはというと、そのままもう少し待機。何故かというと、もしこの先すぐに行き止まりならこの車に乗ったおっちゃんが
引き返してくるだろうから、最後まで行く必要がなくなる、という少々セコい目論見があったせいですが(笑)。
そこからちょっとだけ展望が開けていたので撮ったのが下の写真。っつーても大した風景ではないが。
写真中央部の遠景に通過した道がちょっと写ってますが分かるかな?
しばらく待ってもおっちゃんが引き返して来るような雰囲気はなさそうだたのでわたしも出発する事に。落石よけと思われる
トンネルをくぐると、またもや道が廃道一歩手前のマディな状態になっていて、何度かタイヤを滑らせて変な汗をかきつつも
何とか持ちこたえて先へと進む。
「まさかこのバイクで泥遊びする事になるとは思わんかったなー」
購入当初の想定では、華麗にワインディングを駆け抜けているはずだったのにー、と思いつつ低速系のテクニックを総動員して
ゆっくり確実に進んでいく。ってーか気を抜いたら本気でやばい。こういう道にCBRでは重すぎるしハンドルが低すぎて遠すぎる。
☆
体感的には結構な距離を走ったつもりだったのだが、地図上ではどうだったのか?結構へろへろになってきたところに、先ほどの
ふつーのセダン車が止まっていて、その横でさっきのおっちゃんがこっちを見て笑っている。って事はもしかして?
「あはは行き止まりやったわー、まー見て来てみ」
という言葉に従い、車の横を通り過ぎてその先を見てみるとやはりバリケードがあって、その先は見事なくらいに道がなく、
いきなり崖になっている。これじゃ通りようがないわな。
路面に何やらいろいろと堆積してますが、これでもまだましな方。ここに到達するまでの道はもっとすごかった・ ・ ・
バリケードの先はこんな感じ。見事に道がありませんな。崩れたら困るので、端っこまでは寄ってませんが。
あぁぁあぁ、という感じで一気に脱力〜。とりあえず証拠写真を撮ってバイクに戻り、おっちゃんと雑談する。と、そこへ他の
バイク集団がやってくる。・・・世の中にはチャレンジャーな奴が溢れてるのか?
その後、崖の下に降りてこの先へ行けるような作業用道路とかそういったものがないか見るが、そんな都合のいいものはなく
引き返すしかないと結論 ・ ・ ・ sigh...
☆
てな感じに、希望的観測で進んだ結果は、見事に大ハズレ(泣)。時間とガソリンと気力体力を消耗しただけ、という結末に
終わりました(泣)。
ツイていない時には徹底的に不運なわたしが、はたしてたったこれだけのロスで済んだのかどうか?真実はいかに?
以下次号。